タクシーを撮るとはどういうことか。流れる車窓だとかカメラを向けたくなるところはいろいろあるけれど、ひとまずは「後部座席をどう撮るか」と言い換えることから考えてみよう。
満たされた、からっぽ
タクシーに乗るなんて、滅多にない事だけど、乗った時の空っぽな気持ちは思い出せる。
汚れを潜り抜けろ、そして矛盾を愛せ
金があるからタクシーを使うというわけじゃない、金のことなんか到底考えることができないくらい、いま目の前で起こっていることの対処をしなければいけないほど切羽詰まっているから人はタクシーを使用するのである。
解き放たれるために
毎日電車に乗っていて、ああこのままわたしはどこにも行けないんだなという気持ちになって無性に悲しくなる時がある。
タクシーに乗らない映画について
タクシーってすごく不思議な空間だ。乗った時に絶対に運転手と会話をしていて、誰かがいる状況であることを把握しているのに、後部座席で2人きりの会話を平然と続けてしまう。
与えられた能力でダンスをする
自分の感情を扱いきれなくなって取り乱してしまうことが、しばしばある。そのたびに、情念の世界から身を引いて、もっと軽くなれたらいいのにと思う。