正直映画を見る気分になれない。世の中がこんな状態になってしまって、気持ちが滅している。SNSで「コロナ」の文字を見たらアプリを閉じる、を自分に課すも半日続かなかった。
いつも極端なルールばかり思いつき、実行しては失敗してきた。十代の頃からずっと、何かを本気でやりたいと願ったことなんて一度もなかった。
生の実感のない人生はもはや余生だ。生まれてこのかた無常観しか持ちあわせていない。世代柄なのかわからないけど。
海へ行こうか
用もなく海へ行くといつも、なんとなく逃げてきたみたいな気分になる。昔よく学校や家を抜け出して海を見に行っていたからというのもあるし、いろいろな映画の影響もある。
水平線の向こう
フランスの北部、ノルマンディーのほうに、ディエップという町がある。行ったことはないけれど、ディエップの浜辺のことを私は何度も映像で見た。ジャン・ローランの多く映画に登場するからだ。
そういえば、あるんだった
そういえば、海ってあるんだっけ?自粛で家に篭り続けていると、忘れがちなことが沢山あって、海がこの同じ世界にあることなんて頭からすっこりと抜け落ちていた。